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【日記】曾祖父の思い出

年老いて死を待つ曽祖父は、徐々に身体が衰えてゆく中で、日記を書いてました。縦書きで一行ずつです。

「今日も同じ また同じ」

ペンのインクも買わずに水で薄めては日記を書いていたので、少しずつ薄くなって、最後は読むのも大変なくらいに薄くなり、途絶えたときが他界のときという日記です。

この曽祖父、つまり我が祖母の父は、染物屋の娘と結婚、二人の間に生まれたのが祖母だったそうです。バァちゃんの家系ってことです。

この曽祖父は手先が器用で文芸に秀でていたことから、磁器を焼き、それを日本趣味で沸き返っていたヨーロッパに輸出していたと伝え聞いてます。

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他方、ジィちゃんの方、祖父の家系が明治時代にヨーロッパとの交易をしていたことから、祖父と祖母の繋がりがあったのだろうと想像してます。

曽祖父は米寿で他界したと記憶してますが、初めて会ったときは、この家の蔵に住んでました。真冬でも火の気のない蔵で半袖のシャツ1枚で、いつも座っていた姿を覚えてます。

年老いた曽祖父に祖母と祖父が母屋に住むように勧めても、頑なに蔵での生活を続け、そこで他界した人でした。 身寄りが無かったので娘の嫁ぎ先の世話になったわけです。肩身が狭かったのは想像できます。

我が身を振り返ると、そのときの祖祖父の歳まであと15年くらい。今後を思うと心身の健康に不安を感じながらも、今のところ古希になっても心身ともにギリギリ健康で、いくらかでも社会に求められ活動できてます。本当に感謝に絶えず有り難いことです。明日のことは誰もわからないと思いますが、毎日を懸命に生き抜きたく願ってます。

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