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2023年12月21日の記事は以下のとおりです。

「乳製品」のナニコレ

野村 慶太郎

元乳業メーカー経営者が語る「乳製品」

スーパーとかで売ってる「コーヒーフレッシュ」だの「コーヒークリーミー」だのという紛らわしい名前のついた小さなポーション入りの大半は全く牛乳や牛乳が原料の生クリームではありません。

だから紛らわしいけど、あれは全く1ミリも乳製品ではありません。白いけど、アレはただの植物性油脂です。油の液体。

基本的に本物の生クリームは冷蔵でしか売れません。あたりまえですが、腐るので。

見分け方はカンタン。

牛乳やヨーグルト売り場にある紙パック入りの冷やして売ってるやつだけ本物のフレッシュ生クリームです。当然ながら、風味も全然違います。

本物のバターよりマーガリンが好きとか、植物油が好きで飲みたい方はあの紛い物みたいなコーヒーフレッシュとやらをどうぞ。ワシは絶対使いませんけど。

最近じゃ「生クリーム入り」を売りにしたポーションも出てますが、プロが内容成分を見たら分かりますが大半は植物性油脂。カンタンに言うと「油液」で、申し訳程度に「クリーム(乳製品)」が入ってます。生じゃないけど。

まぁ好みの問題ですが、全然クリームじゃないものを、いかにもクリームっぽく売るなや。そして全然フレッシュ(生)じゃないのにフレッシュとか名乗るなとワシは言いたい。
本物にこだわる方は、まずは分かりにくくても内容成分チェックから始めましょう。

砂糖水大国、日本

野村 慶太郎

元乳業メーカー経営者が語る。


コンビニなどで販売されている多くの飲料は、鼻つまんだり鼻が詰まったりして匂いナシで味わうと、実は全部ただの砂糖水であることが分かる。

コーヒー飲料だの乳酸菌飲料だの、それらしいことが書いてあるが、実態は砂糖水にコーヒー味やヨーグルトみたいな味がつけてあるだけで、とんでもない砂糖水が氾濫している。

いや、正確にいうと砂糖よりももっとすごい糖分の「果糖ぶとう糖液糖」なんていう、もう見ただけでゲンナリするぐらい甘そうな「液糖ドリンク」全盛期である。

食品の成分表示は、含有量が多い順に記載することが義務付けられている。

筆頭に書いてあるのが主原料だと考えていい。

そこで例えば「乳酸菌飲料」を謳い、機能性表示だのトクホだのアピールしているこの商品「ピルクル」を見てみよう。中身はヤクルトそっくりの色と味で「大型ヤクルト」といった体の商品だ。

この商品の成分表示を見て頂きたい。

筆頭は「砂糖」。

は?砂糖?!

そう。砂糖である。まずもって主原料は牛乳でもヨーグルトでもなく、もはや液体ですらない、粉体の砂糖である。

で、そのままでは飲めない。

そこでどうしてるかと言うと、次に書いてある成分を見て更に驚愕する。

「果糖ぶとう糖液糖」。

もう砂糖液ですらない、濃縮され合成された糖のシロップである。

砂糖を溶かすために、水割りどころか、液糖で割る。もう凄まじく大甘な世界だ。そして3番目にやっと乳製品らしい成分「脱脂粉乳」が登場する。でもこれも実は粉。生乳ではなく、粉乳。粉。

戦後の日本人が、貧しい時に飲んでたあの脱脂粉乳である。

これも液糖に溶かす。そうすると、一応乳製品ぽい口当たりと香りが出てくる。この辺りで素人はもう乳製品だと勘違いするのだが、実際は液糖で割った砂糖汁に粉ミルクをちょっと溶かして風味をつけただけだ。

そして最後のトドメが「香料」。

はい。これでもうヨーグルト的なそれっぽい香りをつけ、あとは乳酸菌の菌末を溶かしたら体の良さそうな「乳酸菌飲料」の出来上がり。そしてトドメが「特定保健用食品」、通称トクホの表示。

いくらおなかによくても、その一方で血糖値が爆上がりじゃデメリットの方が多いのに。

かくして、ただの液糖飲料は、なんだかめちゃ体に良さそうな乳酸菌飲料に化ける。ほぼ、タダの砂糖水なのに。

若くて運動しまくる健康な人は飲んでも良いかも知れないが、そうじゃない高齢者や糖尿病患者が毎日コップに何杯も飲んでると、悪化一直線ドリンクである。

なんでこんな飲み物を作るのだろう。なんで乳酸菌摂るのに、普通にナチュラルな無糖ドリンクヨーグルトじゃいけないのだろう?

理由は簡単だ。

砂糖水、液糖の方が儲かるからだ。

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